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三菱自動車で開発失敗した部長が論旨退職の処分。論旨退職は重すぎるのではないか。

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三菱自動車で、開発責任者が開発に失敗して虚偽の報告をしたことを理由に論旨退職の処分を受けた事がニュースになっています。

私もメーカーで工業製品の開発に関わる人間で、このニュースを読んで思うところがあったので、感想を書いてみます。

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何があったのか

三菱自動車のSUV「RVR」のモデルチェンジで、プラグインハイブリッドを開発していました。

この開発に失敗して、担当の部長が論旨退職になったとのこと。

ニュースでは「計画通り達成できる」と上司に報告をしていたのに、結果出来なかったことが虚偽の報告とされて、重い処分になりました。

率直な感想としては、これが「虚偽」と判断されるのであれば開発なんてできるわけがないと感じます。

 

開発とは

私は自動車関係の会社と転職後の別業界で計8年、開発で機械設計の仕事をしていますので、実担当としての感想です。

世間では研究開発と一緒にされることが多いのですが、研究と開発は違います。

どう違うかは会社にもよると思いますが、私は以下のように考えています。

「開発」とは今まで世の中に無かったものを生み出す仕事です。

「研究」と異なるのは納期があること。

「研究」にも納期はありますが、シビアさが比較になりません。

できるかどうかわからない(もちろんできる目算はありますが)技術を決まった納期で製品化しなければならないことが、開発で最も大変でプレッシャーが掛かる事です。

開発が終わってから製造や営業活動を準備するのでは遅すぎるので、開発できる前提で全ての部署が1年以上前から動きます。

開発失敗するとそれらすべてに影響が出るので、プレッシャーは半端ないです。

 

開発のマインド

開発はプレッシャーが大きいことを書きましたが、それに負けているようではそもそも開発できません。

ですので、どのような無茶な企画でも「無理」と否定するのではなく、まずは「どうやればできるか」という考えで進めていきます。

書いているとブラック企業の理念みたいにも見えますが、開発に限らず他の職種やスポーツなどにおいても、成功する人のマインドは似たようなところがあるのではないかと、最近感じてます。

 

三菱自動車の対応

ここで三菱自動車の話に戻りますが、「計画通り達成できる」と報告したことは開発者としては当たり前です。

むしろ開発にいる人間はこういう報告しかできないでしょう。

あまりにも無茶な企画すぎて、できない根拠が明確であれば「できない」と報告するべきですが、少しでもできる可能性があれば上記のような報告をするでしょう。

開発失敗した事は残念な結果でしたが、開発という仕事の性質上、「できる」といって失敗の結果になった事を虚偽と言われれば開発なんてできないので、論旨退職という厳しい処分はやりすぎだと感じます。

 

まとめ

部長ということは管理職なので、失敗の責任は取るべきだと思います。

しかし、開発という仕事の内容を考えると処分が厳しすぎると感じました。

海外のようにもっと技術者の立場や待遇が良くなればよいですが。

もう少し勘繰るなら、ここまで重い処分になったということは他に表沙汰にできない事情などがあるかもしれません。